「カッパのかーやんと金色の災い」あらすじだよ

 桃源郷の天の川(あまのかわ)村に、カッパたちは住んでいる。
 おそらくカッパが住んでいるのは、地球上で、ここ日本の天の川村だけだろう。
 空気は綺麗、水は澄んでいる、そういうところへカッパのかーやんは逃れてきた。かーやんを逃がしてくれたのは、仲良し3人組の祐太、涼香、ケンだ。
 ここでかーやんは、素敵なカッパのスイ子さんと巡り合い結婚した。結婚式には祐太たち3人も招待された。そのとき、天の川村を乗っ取ろうとしていた性悪坊主を見事やっつけて大活躍したのだった。


 ところが、カッパが住んでいるところに、物凄い臭(くさ)いにおいが押し寄せてきた。カッパたちが住んでいる秘密の川は村から遠く離れたところにあり、こんな臭いにおいが感じられるなんて、およそありえないことだ。とにかく、人間より敏感なカッパたちは大変だ。なんとかしないと生きていくのも大変なことになる。そこで、かーやんとスイ子さん、それに尻尾があってヒゲまである猫の生まれ変わりだと思われているネコカメジロウの3ガッパが、調査のために出かけることになった。
 人間世界とカッパの世界を隔てている大楠に秘密の通路がある。その通路の途中の真ん中に、ずっと昔、人間とカッパが仲良しだったころ作られたお地蔵さまが立っている。
 そのお地蔵さまの不思議な作用でかーやんたちは人間界へやってきた。驚いたことに、そこにそれは大きなゴミの山が出来ていたことだ。こんなゴミの山が出来ているので、村人も臭さに困り果てていた。
 大雨が降っていてゴミの山の廻りも川になって溢れているのだが、そこには蛙が白い腹を見せて数限りなく浮いて流れていた。かーやんは調べるために、ゴミの山を登っていつた。ゴミは腐って発酵し熱を発していた。這って登っていたかーやんは手も足も火傷で腫れ上り、痛いのをこらえて天辺を目指した。先ほどから轟いていた雷が、ごろごろと大きな音を響かせている。秘密の通路のある大楠の上にとぐろを巻いた蛇のように寄り集まってきた雷雲がごろごろと鳴り響く中、かーやんは登る。天辺に到着して目を上げると、流れ星が飛んでいくのが見えた。カッパは流れ星が飛んでいる間に願い事を唱えれば叶うと信じている。そこで、かーやんは、「どうか、カッパの住みかを守って」と願ったのだ。ところが、流れ星と思っていたのは、すいせんという天気の調査機、人工衛星だったのだ。
 かーやんの脳天に雷が落ちた。かーやんはぶっ飛んだ。空を飛んでいくかーやんは、人工衛星と激突。今度は下に向って落ちていく。とつぜん人工衛星とおぼしき妙ちきりんな主から、話し掛けれるかーやん。ゴミの山に墜落すると告げられる。どうするすべもないかーやんは、ゴミの山に墜落、身体の半分めり込んでしまった。中は発酵してどろどろのゴミ、かーやんの口からどろどろの発酵物が入り込み、かーやんは黒い身体に変わりしなびていく。やがって逆さまになってるかーやんの尻から黄金の液体が噴出し、ゴミの山を黄金に変えていく。あの臭いにおいが、まるで石鹸のような芳しい匂いになって。
 大楠から出て来たスイ子さんとネコカメジロウ。スイ子さんはそれを見てかーやんを助けようと、黄金に変わったゴミの山を登っていく。ネコカメジロウも続く。
 ゴミ山の代わりに猛烈な臭さを身に付けてしまった瀕死のかーやん。
 
 一方、涼香は家出をして大好きなおばあちゃんのいる天の川村に向う。家出をした涼香を追いかける涼香のパパとママ。一緒に向かった祐太とケン。
 黄金の山に代わったゴミ山に群がる慾に目が眩んだ人間たち。警察まで巻き込んでの大騒動。
 どうなるのか最後まで分かりません。


 大好評の☆「カッパのかーやん」 新日本出版社
☆「カッパのかーやんとひみつの川」 新日本出版社の続き、
☆「カッパのかーやんと金色の災い」は遊絲社(ゆうししゃ)発刊の第3巻目です。

 



2020年7月7日  溝江玲子


玲子のプロフィール

溝江玲子 山羊座で12月27日と暮れも押し詰まった大変忙しい時期に生まれました。
昭和12年、旧満州国奉天に生まれて、上海に育ち、終戦後に大連から引き揚げてきました。もう、戦争はこりごりです。
職業はと聞かれると、答えがいく通りもでてきます。一番格好よく答えると、作家かな。それから、7年前立ち上げた遊絲社(ゆうししゃ)という出版社の代表です。
趣味は読書とお絵描き、素材のページのキャラクターの原画も描いています。
へこんだときに呟く言葉は「人間 万事 塞翁が馬」。これで、幾多の試練を乗りきってきたのです。

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