んねこ【ん猫】 おまえがそうやって伸びをしたら、そのこっけいな形と美しい動きに、何もかもを感じるよ。 忘れていた遠い思い出を思いだすそのきっかけのように。 家に帰り着いた途端に、音を立てて夕立が降り出してきたときのように。 おまえがどうやってここにやって来たのかを考えると、不意をつくような喜びと寂しさに、ときおり息が詰まることもある。 ン? いずれ、さようならを言わねばならないのは、この世界の仕組みだ。おまえは「ん」の一文字ととてもよく似ているね。それはまるで、おまえと私の関係のようだ。
2004年7月29日