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ナナミキャットうらばなし
うちには、猫が１匹います。真っ黒くろすけで、小さい。
名前はナナミと申します。
女の子です。
長男のマンガで主演を果たしております。
今では、立派にウエブで主役を張るようになったナナミですが、
そもそもは立派な捨て猫ちゃんでした。
うちによくくる本屋さんがどこぞで拾ってきて、連れてきたのです。
「こんなのがいました」と本屋さん。間が抜けたことを言います。
「これを私に世話しろと?」と、私も結構間が抜けたことしか言えない。
ま、一期一会と申しますか、こうして出会ったのも何かの縁と我が家の一員としてむかえることに致しました。
最初は、目があいてなくてひとりではミルクも飲めないので、メチャクチャちっちゃなペット用の哺乳瓶で飲ませていたんですよ。
次男の航志は死んじゃうんじゃないかと大騒ぎ。なに言ってんの、人間の赤ちゃんなんて、この一千倍大変なんだからね。
しかも、あんた達（長男も含め）はひと一倍……いや七倍も身体が弱くて、私もひと十八倍虚弱体質で、もっともっと大変（私の夫が）だったんだから。
と、息子に恩を売っている間にも、ナナミは無事に成長し、雀やトカゲを元気に追い掛け回すようになりました。
……のは良かったのですが……。
大きくなると、今度はひっかくは、噛みつくはで、本当に困りものに。
でも、人懐っこいところがいいところで、宅急便やさんでも、誰にでも、体をこすりつけて甘えます。（我が社の受け付け嬢といったところでしょうか？）
しかし、突然、がぶりとやるのでヒヤヒヤです。
親からあまり早く離されたので、ネコとしてのマナーを知らずに育ったのでは、などと思っておるのですが……。
我が家では、私の夫だけがナナミを抱っこしようと日々挑戦中です。
「おっ、おとなしくしてるぞ、なれてきたかな」と言っては、とたんに噛みつかれて、手に大穴を開けられています。
「でも、前よりは手加減するようになった」
夫は、負け惜しみを言っています。
ちょっと、それ、だらだら血が出てるじゃないの。
……もう。
2001年5月19日 店長 溝江玲子
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