大和郡山市から表彰状をいただきました

11月3日文化の日。
わたくし溝江玲子は、「あなたは多年にわたり児童文学作家活動を通じて児童の健全育成に貢献されました」
という理由により、大和郡山市から表彰されました。
市から、立派な表彰状と金杯をいただきました。


いただいた表彰状にも、大きく立派な字で、
「あなたは多年にわたり児童文学作家活動を通じて児童の健全育成に貢献されました」
と書いてありました。
郡山市某所で表彰され、表彰状と金杯をそそと受け取り。“私のような人間にそのような過大な評価をしていただいて”なんて、謙遜の気持ちを人並みに感じたうえで。
私という人間が、私の書いてきた作品を通じて「児童の健全育成に貢献」してきたのかどうか、意識したことはないし、知るすべだってない。だからこれは、公的な場所で表彰されるときの文脈ということなのかな、なんて、一歩引いたところからそんなことも思った。
「児童の健全育成に貢献」という物言いの、「児童の健全」ひとつとっても、何が健全で、誰にとって健全なのか、そういうことを絶えず危機感をもって自分自身に問いかけることが大切。……そんなふうにこれまで考えてきたから、条件反射的に身構えるクセがついてるのかもしれませんね。
(;^-^ゞ


大人の役目、児童文学の役目、私の役目というものがあるなら、「児童の育成」なんてものじゃなくて、子どもたちの育つ力、考える力をサポートすること。……いっかいの物書きである自分自身に課しているのは、そういう小さな責任。
子どもたちは次々と新しい何かを創造する力を持ってる。見ていて、驚くくらい。
子どもたちにとって、世界は新しさ、みずみずしさに満ちている……勝手な解釈なのかもしれないけれど、何かに夢中になっているときの子どもたちの瞳の輝きを見て、私はそう感じます。いつも。
そういう子どもたちに対して、私の経験を押しつけるようなことは、無意識にだって、したくないのです。むしろ、子どもたちといっしょに、いつまでもこの世界に驚嘆していたい。
……もしかしたら、私は、いつまでたっても大人になれなかった子どもということなのかもしれませんね。

 



2010年11月25日  溝江玲子


玲子のプロフィール

溝江玲子 山羊座で12月27日と暮れも押し詰まった大変忙しい時期に生まれました。
昭和12年、旧満州国奉天に生まれて、上海に育ち、終戦後に大連から引き揚げてきました。もう、戦争はこりごりです。
職業はと聞かれると、答えがいく通りもでてきます。一番格好よく答えると、作家かな。それから、7年前立ち上げた遊絲社(ゆうししゃ)という出版社の代表です。
趣味は読書とお絵描き、素材のページのキャラクターの原画も描いています。
へこんだときに呟く言葉は「人間 万事 塞翁が馬」。これで、幾多の試練を乗りきってきたのです。

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