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『時の王子』の復刻版が 出版されました
溝江玲子のファンタジー児童書『時の王子』が、並製本として復刻されることになりました。
『時の王子』は事実上、これまで絶版状態だったのです。『時の王子』を印刷した印刷所が廃業していたのです。生きていれば、さまざまなことがありますね(笑)。
『時の王子』は、私の初のファンタジー小説ということで、思い入れの強い作品でした。また、環境問題をテーマとしてはっきりとうちだしたという点で、私個人の創作人生において、分岐点となった作品です。
自身のことながら、まさに、渾身の作品と申せましょう!
( ̄个 ̄)
さらに、この『時の王子』は、読者の皆様からも少なからぬ反響をいただきもしておりました。
このような職業がら、他者の評価はことのほか気になってしまうもので、好意的かつ肯定的な評価の数々は、日々の精神生活の安定をもたらしたのです。
学校の宿題のように強制でもないのに、さまざまなお手紙を書いて送って下さった小さいひとたち。本当にありがとう!
(^-^)
絶版状態になってからも、
「読みたい、どうすれば読めるのか」
というお問い合わせもいただいていたのですが、我が家の在庫を一冊ずつおすそわけしておりました。
その在庫も、とうとう残り1冊を残すのみとなり、古本屋さんを探してください、としか言えなくて……。
思いきって、遊絲社で再出版することに決めちゃいました!
今回の普及版は、カラー口絵や本文のイラストを絞り込み、並製本にすることでリーズナブルなお値段になりました。
リーズナブルと言ってもご安心を。透明水彩の魔術師、鈴木一朗さんのカラー口絵も4ページ確保しております。本文に飾り罫もついたかなり凝ったつくりです。
妖精の国へと誘う、素晴らしいイラスト……えへへ、褒めちぎってますが、私、鈴木一朗さんの絵が大好きなんです。ついつい力がこもってしまいます。皆様も手に取って、ページをめくりつつ確認していただければ、と思ってます。
『時の王子』の初版は1994年。当時、ファンタジーで環境問題を扱うこと自体かなり斬新だったようで、NHKにもとりあげられました。10年以上前の作品ですが、地球環境はますます悪くなり、人間の世界もさらに危機的な状況になってきております。
繰り返しになりますが、今まさに旬の本ではないかとひそかに自負しており、今回の普及版発行にあいなりました。強調しておきましょう(笑)。
皆様、新しくなった『時の王子』をよろしくお願いいたします。
2006年6月9日 溝江玲子
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玲子のプロフィール
溝江玲子 山羊座で12月27日と暮れも押し詰まった大変忙しい時期に生まれました。
昭和12年、旧満州国奉天に生まれて、上海に育ち、終戦後に大連から引き揚げてきました。もう、戦争はこりごりです。
職業はと聞かれると、答えがいく通りもでてきます。一番格好よく答えると、作家かな。それから、7年前立ち上げた遊絲社(ゆうししゃ)という出版社の代表です。
趣味は読書とお絵描き、素材のページのキャラクターの原画も描いています。
へこんだときに呟く言葉は「人間 万事 塞翁が馬」。これで、幾多の試練を乗りきってきたのです。
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