プロの卵たち、本を出版
作家の藤本義一氏が総長を務めている物書きのプロを養成する心斎橋大学は、今年で創立21年目を迎えます。心斎橋大学というのは、現在活躍中の日本放送作家協会の講師による講義を受けられる大学です。
ここで学んでいる「絵本・児童文学コース」の生徒たちが、昨年と今年の2年、立て続けに児童文学集、「あなたにとどけるものがたり」「あなたにとどけるものがたり
2」を出版ました。
心斎橋大学で「心大出版」を立ち上げ、販売は「遊絲社(ゆうししゃ)」がするというもの。今まで学んできたものを外に向かって発信したいという生徒たちの願いが形になったのです。
「心大出版」出版の先陣を切る形で、「絵本・児童文学コース」で学んできた生徒たちの本が出版されることになったのは、講師として喜ばしいかぎり。
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「あなたにとどけるものがたり」の出版は、2006年1月20日。心大出版より初めて本が出版された記念すべき日となったのであります。一冊の本を作り上げた喜びは、いい表されないくらい嬉しいものです。
この本で作家の卵として羽ばたくのは、かすみ風子(ふうこ)、波砂間(はざま)あや、三浦布美絵、柱風せん雲(はしらふうせんぐも)、稲本英子、井上三鈴の6名の絵本・児童文学の生徒たち。
講師である児童文学作家の私、溝江玲子は『語り・朗読』用に「雪おろし」を書いてます。
藤本義一氏には、あとがきで「童話は哲学よりむつかしい」との一文を寄せていただきました。あとがきも必読のこと。
また、コラージュアーティストの藤本芽子さんに表紙のイラストを描いていただきました。
各書店でも、もちろん注文できます。
*「あなたにとどけるものがたり」
1300円+税 160ページ 心大出版(販売・遊絲社)
それから一年後の2007年1月26日に、児童文学集「あなたにとどけるものがたり 2」が続けて出版されました。生徒たちの熱意が、シリーズ化を進める力となったのです。
1巻で終わらずに、児童文学集シリーズとして心大から出版していくことは、意義あることだと思っています。
第1巻目の出版は幸いにも好評で、多くの方に手に取って貰うことができましたが、先頭を切った先輩たちが力を振り絞ったことが、第2巻目の出版の道を切り開いていったのだと思います。
「あなたにとどけるものがたり 2」の作品を書いたのは、
かすみ風子(ふうこ)、中井和子、波砂間(はざま)あや、三浦布美絵、岩田陽子、藤川ヤヨイ、幸川雅子、井上三鈴の8名の絵本・児童文学の生徒たち。
講師である児童文学作家の溝江玲子は、今回は『語り・朗読』用に「かっこう鳥(どり)」を書きました。今後このシリーズでは、『語り・朗読』を意識した短編を書いて、新境地を開きたいという野望も持っております。
あとがきには、藤本義一氏が、「わが童話論 ポルカとブルース」を寄せていただいております。
コラージュアーティストの藤本芽子さんが第1巻にひきつづき表紙画を描いていただいただけでなく、今回は物語の一つ一つに素敵なイラストを描いていただきました。
これからこの児童文学集が、以後もシリーズとして続いていくかどうかは、児童文学作家を目指す生徒たちのプロとしての目的意識の高さに掛かっているし、もちろん、講師の私の責任も……あるでしょう。
とは書きつつ、けっこう自信のある二作品集です。
一度手に取ってみていただければ、幸いです。
*「あなたにとどけるものがたり
2」
1400円+税 192ページ 心大出版(販売・遊絲社)
2007年3月16日 溝江玲子
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