イラクに潜入取材の西谷文和さんとトーク、「FMわいわい」で!
(前編)

西谷文和さんは地方公務員だった。
有給休暇を取りイラクを取材中に、日本人3人が拘束された。ちょうどその時にイラクにいた日本人として、西谷さんは俄然注目を浴びたのである。
拘束された3人に対して『自己責任』という言葉のバッシングが巻き起こった。何故このようなことが起こったのか、不可解な現象に日本中の殆どが踊らされた。どうして、イラクに救援活動にいって拘束されたのが自己責任なんだろう?
3人をまず助けることを考えるの真っ先にするべきことだと思うのに、小泉首相(当時)は、挑発的な言動をくり返し、私なども、ひょっとして3人は助からないのではないかと恐ろしかったものだ。
そしてもちろん地方公務員である西谷さんにも、自己責任という言葉が降りかかってくることになった。
会社員であれ公務員であれ、有給休暇をどう使おうと自由だと思うのだが、実は日本の社会はそのようになってはいない。
そのようなこともあり、地方公務員の地位を捨てフリーとして活動することになった西谷さん。
西谷さんにイラクの現状をお聞きしたくて、「FMわいわい」の溝江玲子ことももっちおばちゃんのトーク『おかげさまです、ももっちおばちゃんのラジオお昼便』に、4回に渡ってご出演いただきました。

西谷文和さんと溝江玲子のツーショット。「FMわいわい」のスタジオにて

★ 第1回目 『自己責任って本当にそうなの?』

3人が拘束された時イラクにいた西谷さんの携帯が鳴りだした。
「○○テレビですが、今そちらの状況は?」「××新聞ですが……」
その中に、「あなた自身の自己責任は、どう考えますか?」という問いがあった。西谷さんは、「はあ?」とクエッションだったという。私だって聞かれたらなんのことか分からなかったと思う。本当に奇妙な問いかけだ。
自衛隊を派遣したがために起こされたこの事件の責任は小泉首相にある。小泉さんは巧みに自分の責任を3人の責任にすり替えたのだった。そこで、個人の自己責任という言葉の嵐が吹きまくったのだ。
向こうの「自衛隊の撤退を」という要求に対して、小泉首相は「自衛隊は撤退させないうんぬん」をくり返していたのだから、3人の命はなくなってもおかしくなかった。それが助かったのはどうしてなのか!を胸に手を置いて冷静に考えてみたい。
それは3人が自衛隊関係者ではなく、純粋な人道支援者だったからだ。現地の新聞が『彼らはイラクの子どもを助けにやって来た。拘束するべきではない』と報道していた。おそらく犯人グループも、この3人は敵ではない、と感じたはずだ。
もう一つは、犯人たちはテロリストではなく、レジスタンスだったということ。あの時アメリカはファルージャを大攻撃し、多くの市民を殺していた。その殺戮を止めようとして、犯人たちはたまたま通りかかった3人を拘束した。誘拐という行為は許されないが、彼らは冷血なテロリストではなく、『村の自警団』のような存在だったのだ。
助かったニュースに接したとき、心から3人の命が助かったのを喜びたいと思った。
このことを境にして報道機関は撤収し、イラクにはフリーのジャーナリストしかいなくなったのである。
西谷さんが話してくれたのは、どこも報道を放棄してしまったイラク戦争のこと。即ち、
【報道されなかったイラク戦争】
なのである。


★ 第2回目 『悪魔の兵器、劣化ウラン弾』

劣化という名前で、何か劣化した害のなくなったウラン弾を使っているというような誤解をわざと与えているのだろうか! 
劣化ウラン弾によって癌が多発している、特に子どもが癌に侵されていることにきっちりと目を向けて欲しい。
劣化ウラン弾は、対戦車用に開発された爆弾で戦車もひとたまりもなかった。
劣化ウラン弾は、ほとんどタダ同様の価格で手に入る。というのは、原発の搾りかすのゴミだからなのだ。なんと恐ろしい核のゴミの利用法なのだろう! 
これは他人事ではない。原発大国日本は、劣化ウラン弾の供給に責任をおっている。それを私たち国民も知らなければならないと思うのです。
詳しくは、西谷さんの著書 【報道されなかったイラク戦争】に書かれていますので、ぜひ御一読ください。

【報道されなかったイラク戦争】 西谷文和 著  せせらぎ出版 600円(税込


「FMわいわい」 77,8MHZ
ネットからだと世界中から聴くことができます。
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どのような放送局かといいいますと、阪神淡路大震災のときに日本人以外は情報が伝わらずに大変だったというところから、多言語放送が必要だと痛感して始ったのが歴史です。
この放送はネットからですと、世界中で聴くことができます。
ステキなラジオ局、私の番組ともども、どうかごひいきに。



2007年7月27日  溝江玲子


玲子のプロフィール

溝江玲子 山羊座で12月27日と暮れも押し詰まった大変忙しい時期に生まれました。
昭和12年、旧満州国奉天に生まれて、上海に育ち、終戦後に大連から引き揚げてきました。もう、戦争はこりごりです。
職業はと聞かれると、答えがいく通りもでてきます。一番格好よく答えると、作家かな。それから、7年前立ち上げた遊絲社(ゆうししゃ)という出版社の代表です。
趣味は読書とお絵描き、素材のページのキャラクターの原画も描いています。
へこんだときに呟く言葉は「人間 万事 塞翁が馬」。これで、幾多の試練を乗りきってきたのです。

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