いろは猫の国(け)

【けむり猫】
中世のヨーロッパでは、黒猫は魔女の召使いだとして、黒猫たちを次々と火あぶりにした。その徹底した虐殺ぶりは筆舌に尽くしがたく、現代では純潔の黒猫は非常に貴重な存在となってしまっている。火あぶりにされた猫たちは、けむり猫となって、今もヨーロッパの闇の中をさまよっているという。
当時のヨーロッパの人たちは、間違いをおかした。黒かろうが白かろうがその他どんな色であろうが、猫は秘密と魔法の存在なのである。猫が魔法を使うごときで火あぶりなどとは、言語道断としか言い様がない。
カール=マルクスと同時代人のニャンコロビッチ=ニャカニョフは、さまようけむり猫を眺めながらこう語ったと言われている。
「人間と猫の関係を観察すれば、その社会の成熟度がわかるのだ」




2002年12月23日

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