さがしているねこをおもう【探している猫を思う】 ある日突然いなくなった猫を思わないときはない。彼女に限らず、いっときでも猫と友だちだった者はみなそうなのだ。ふわふわと細い猫の毛のついた緑色のカーディガンを着て、彼女はコーヒーを前に頬づえをつく。 いいの、無事でいてくれたら……そう自分に言い聞かせ、またため息をつく。朝の光のなかで。
2003年4月4日