たかいこねこがたずねる【高い子猫が訊ねる】 高い高いてっぺんに駆け上がった小猫。足がすくんで降りられない。お日さまが三度のぼってもそのまんま。 翼の大きなカンムリワシがやって来て、小猫のまわりをぐるぐる回る。 「安心おし、食いやしないさ」とカンムリワシ。鋭い眼光で、朽ち荒れ果てた地上をつぶさにみわたす。 「降りられないのはオイラも同じ。今もって生き残っているのは、どうやらオイラとお前さんだけのようなのさ」
2003年5月5日