つながれてゆくねこ【繋がれてゆく猫】 繋がれた猫を連れて、あちこち連れ回し、病気にしてしまう男がいる。彼は医者で、医者にはクランケが必要なのだ。 「鎖を解き放ちなさい。猜疑と不安のこの時代に、注意深く自分自身を発見せねばいかんのだ」 ところが、猫の手は、鎖を解き放つようにはできていないんだってさ! でも、彼はこれで満足なのだ。
2003年5月5日