北海道講演・後編
いよいよ、講演会場の『静内町保健福祉センター』に到着。車を降りると、
『静内町保健福祉センター』の続きの建物として『静内町立病院』があるのが見えました。
「まあ、保健センターの隣が病院なのね」と、私はYさんに言いました。私の二人の息子は体が弱かったものですから、まっさきに病院に目がいく習性があるのです。
子ども、特に赤ちゃんの病気は急変することが多いので、町立の病院が保健センターの近くにあると、利用者としてはとても助かるだろうなと思いました。また、お年寄りの方も、こうした保健センターの隣が病院というのはありがたいと思います。
子どもも私自身も、病院にはご厄介になりっぱなしなものですから、どうしてもこのような感想が。
スタッフの皆さんは、受け付けの机を出したり会場に敷物を敷いたり、総出で働いて下さっています。保育室の準備もされていて、若い男のスタッフの方も保育に廻るということです。
「保育に廻った人たちも、講演を後で聞きたいということで、ビデオを撮らせてもらいますね」
わお、すごいことになってきましたね。
講演といっても、自分で経験したことしか話せません。自分の子育ての様々の失敗やら何やら、正直に話しました。そして、私が絵本を読んだときに感じたことを話しました。前の方へ陣取って、私が話すのを、うんうんとうなずいて聞いて下さったお父さんお母さん。一生懸命ノートを取って下さっていた年輩の男の方。皆さんの真剣な目が私を見つめています。
「ドウガネブイブイ」という本の話もしました。私の長男が小学校1年生のときから3年間入院した記録です。慢性病で長期入院を余儀なくされる中で、病院の中に院内学級ができたのですが、その院内学級に赴任してきたS先生と、長男の交換日記である『お話ノート』を編集再構成したのが、「ドウガネブイブイ」です。
講演が終わった後、「ドウガネブイブイには、涙が出てきて出てきて……!」と、話し掛けて下さったお母さん。
「本当に良い話だったと思います。いま私は産休中なのですが、働き続ける勇気を貰いました」と、晴れやかに笑って下さったお母さん。
こちらの方こそ、書き続けていく勇気をいただきました。ありがとうございます。
ご本も沢山の方に購入していただきました。本当に本当に嬉しかったです。
そして、「カッパのかーやん」を、初めにインターネットの本屋さんアマゾンから購入して下さって、私が北海道へ来るきっかけを作って下さったKさん、どうもありがとうございます。
「カッパのかーやんも、北海道にきて住んではどうでしょう!」と言って下さったスタッフの方々、その言葉はとっても嬉しい言葉でした。
かーやんが住みたくなるような、自然がたっぷりとある魅力のある日高地方です。
もう一晩、この静内の近くで泊まりたいくらいです。
ここでは、この三町合併の話が出ているそうです。
広大な中に家々が点在しているような地域で村々を合併すると、住んでいる人々にとってはむしろ不便なことが多くなるのではないでしょうか。
そして、折角の町の特徴が失われていってしまわないでしょうか。合併することによって、本当に住民の人たちが助かるのでしょうか。数々の疑問が私の頭の中で点滅しています。
私としては、素敵なこれら三つの町の名前が消えていかないで欲しいと願います。
最後に、バス停まで車で送って下さったYさん、別れるのに後ろ髪を引かれました。静内・新冠・門別町保健福祉センターの皆さま、また、元気でお会いしたいですね。
2003年11月26日 溝江玲子
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