りっきょうをこえたねこ【陸橋を越えた猫】
「どこまでも高く遠くジャンプして、いつか、陸橋も飛び越えてみたい」というマーマの願いを、神様は聞き届けてくださいました。
そうなのです。朝、目覚めてみると、マーマの体は陸橋をひとまたぎできるほどに、巨大化してしまっていました! マーマはジャンプして飛び越えたかったのですが。……神様のやることは、いつもこんな調子なのです。大目に見てやるしかありません。
ビルほどもある巨大なマーマに、驚いた人々は、一目散に逃げ出しました。空っぽになってしまった街で、マーマは陸橋をひょいとまたいでみせました。何度もまたいでいるうちに夢中になって、マーマは陸橋越えを心から楽しんだのでした。