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韓国女一人旅(1)

 

韓国語の勉強をしなくては!
出発1週間前に慌てる

8月もお盆を過ぎるまで、私は韓国へ行くことになるとは、思ってもいなかった。
「韓国語も知らない私が韓国へいく……! これってホントのことなの!?」
とほっぺたをつねってみる。痛い、やはり本当のことなのだ。私は慌てた。何故なら、私はハングルも読めず、韓国語も何ひとつしゃべれないからだ。

「冬ソナ」で語学を学び!?
関空から飛び立つ筆者

「そうだわ、『冬ソナ』を観よう!」
と私は頭に閃いたままに、冬ソナの良さを力説していたYさんの顔を思い浮かべ、貸してくれるように頼んだ。
「それなら、日本語の字幕の付いた完全版を貸してあげるわ」
なんとYさんは、吹き替えの分、字幕付きの分など四つものパターンを持っているのだった。私は、その韓流の熱気にたじたじとなりながら、さっそく冬ソナの字幕付きの完全版を借りることになったのである。
実は以前から、私に冬ソナを薦めて下さった人は大勢いらっしゃったのだ。しかし、はやりものに飛びつきたくない私は、見なかった。こんなことなら素直に見ておくのだったと後悔したが、今更どうなるものでもない。今からでも見ないよりは良いだろう。
よいように取れば、ドラマを鑑賞しながら、韓国語のお勉強なのだ。これこそ、まさに一石二鳥ではありませんか!
韓流ブームに乗り遅れている呑気な私が、なぜ急に韓国へ行くことになったのか、それは、私の絵本と童話に、韓国で興味を持たれた方がおられたからである。(私の児童文学に注目して下さるなんて、なんと目が高いのでしょう!)と、それを聞いた私は、天にも舞い上がり、即座に韓国行きを決めたのだった。
無謀な私であったが、このように決めることができたのも、日本と韓国をまたいで活躍されているフードジャーナリスト・高ヒョンミさんの助けをいただけることが分っていたからであった。ヒョンミさんは、韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」の料理本「家庭でもできる韓国宮廷料理」(竹書房)その他を出されている。
私は、冬ソナの第五話までを鑑賞、いや付け焼き刃の韓国語お勉強を頼りに、8月25日関空から飛び立ったのである。

溝江玲子

奈良新聞掲載2005年10月22日

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玲子のプロフィール

溝江玲子 山羊座で12月27日と暮れも押し詰まった大変忙しい時期に生まれました。
昭和12年、旧満州国奉天に生まれて、上海に育ち、終戦後に大連から引き揚げてきました。もう、戦争はこりごりです。
職業はと聞かれると、答えがいく通りもでてきます。一番格好よく答えると、作家かな。それから、7年前立ち上げた遊絲社(ゆうししゃ)という出版社の代表です。
趣味は読書とお絵描き、素材のページのキャラクターの原画も描いています。
へこんだときに呟く言葉は「人間 万事 塞翁が馬」。これで、幾多の試練を乗りきってきたのです。

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