韓国女一人旅(4)
『冬のソナタ』で有名なカトリック教会へ
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「冬のソナタ」に登場したカトリック教会の内部 |
聖堂にいたる道は、なかなか長い坂道だった。坂道を上がりながら話す中で、私が教会、教会と言うものだから、キム・ダヘちゃんは、
「ここでは教会とは言いませんねえ、普通は聖堂と言います」
と言った。
「えっ、そうなんですか!」
「日本には、聖堂、つまり教会は沢山ありますか?」
「そうね、あんまり見かけないですね」
「韓国は、聖堂が沢山ありますよ。そして韓国は儒教の国ですね。まず、父母を敬います。日本は仏教なのですか?」
となかなか鋭い質問が出てくる。また儒教は宗教ではなく、孔子の思想なのだそうだ。これが、普通の高校1年生なのだ。
さて、いよいよ聖堂の門を入ると、広場に赤いものが、ござ2枚くらいに広げてあるのが目に入る。それは唐辛子だった。鷹の爪のように細長い形だが、初めは小さめのザリガニの赤いのを置いてあるように見えた。
聖堂は高い階段があり、それを上がると聖堂の中に入れる。
ここには、日本人が1日に、ひところは200人くらい、今は50人ぐらい訪れるそうでだ。
年輩の男の人が、ここはペ・ヨンジュンとチェ・ジウが座った椅子。ここで膝まずいて祈りを捧げたところなど、いろいろと説明をしてくれる。
この聖堂は、ここで本当の結婚式を挙げたカップルでもこの中では写真を撮れなくて、中庭に出て撮る。本来ならば、これほど厳しく今でも制限されているのだ。それほど由緒のある聖堂であるそうだ。
しかし『冬ソナ』がここで撮影され、日本人がここを見るのを楽しみにきているし、記念に写真を撮りたいことを知ったので、特別に日本の方には写真を許可しているということだった。ということで、ありがたく写真を撮らしていただいたのであった。
溝江玲子
奈良新聞掲載2005年11月12日
玲子のプロフィール
溝江玲子 山羊座で12月27日と暮れも押し詰まった大変忙しい時期に生まれました。
昭和12年、旧満州国奉天に生まれて、上海に育ち、終戦後に大連から引き揚げてきました。もう、戦争はこりごりです。
職業はと聞かれると、答えがいく通りもでてきます。一番格好よく答えると、作家かな。それから、7年前立ち上げた遊絲社(ゆうししゃ)という出版社の代表です。
趣味は読書とお絵描き、素材のページのキャラクターの原画も描いています。
へこんだときに呟く言葉は「人間 万事 塞翁が馬」。これで、幾多の試練を乗りきってきたのです。
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