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韓国女一人旅(3)

 

韓国の一般的高校1年生!
今どきまれな礼儀正しさ

「ねえ、韓国の、いわゆる普通の高校生はどのような感じなのか、知りたいでしょう!」
と、フードジャーナリストの高ヒョンミさん。
「もちろん、知りたいわ、紹介してくれるの?」
ということで、高校1年生のキム・ダヘちゃん15歳を紹介してくれることになった。

礼儀正しい韓国の高校1年生
キム・ダヘちゃんと筆者

現れたダヘちゃんは、ほっそりとした小柄な女の子で、日本語が余りに上手なので、まったく驚いてしまった。
聞くと、1年10ヵ月、中学と高校で日本語を習っているとのこと。このような短期間で、よくもこれだけ喋れるものだと感心してしまった。アクセントも、ほとんど日本人と変わらなかったからだ。
おまけに、ダヘちゃんの両親は日本語とは縁のない人で、近所にも日本語をしゃべる人がいない環境だというので、ますます驚いたのであった。
ダヘちゃんは、授業で日本語を何故取ったかというと、日本に憧れている、日本の大学へ行きたいという夢を持っているからとのことだった。
後、英語をやっているのだが、もう一つ中国語も高校の授業で取りたいということだった。高校では、フランス語も第二外国語としてあるそうである。
ダヘちゃんは、無邪気な顔で、
「なぜ、私が通訳しようと思ったかというとね、童話作家に会ってみたかったから」
と言った。私と会うのが楽しみで、胸をドキドキさせて来てくれたそうだ。(ダヘちゃん、ありがとう!)
ダヘちゃんに限らず、『冬のソナタ』に出てくる高校生のように、私の見渡したところでは、礼儀正しい学生ばかりであった。日本で、今どき、このような礼儀正しい学生に会うのは、まれなことである。私たちは、余りに韓国の事情を知らないのではないかと思った。少なくとも私は知らなかった。
私は、日本人観光客がいくところではない、ソウルの一般のまちを探索してみるのを心掛けることにした。表面的な観光だけでは分からないことも、身近に感じられるのではないかと思う。
一般的な民宿に泊まり、家族と一緒に食事をして、そして一般人として10日間歩き回って得た感触である。

溝江玲子

奈良新聞掲載2005年11月5日

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玲子のプロフィール

溝江玲子 山羊座で12月27日と暮れも押し詰まった大変忙しい時期に生まれました。
昭和12年、旧満州国奉天に生まれて、上海に育ち、終戦後に大連から引き揚げてきました。もう、戦争はこりごりです。
職業はと聞かれると、答えがいく通りもでてきます。一番格好よく答えると、作家かな。それから、7年前立ち上げた遊絲社(ゆうししゃ)という出版社の代表です。
趣味は読書とお絵描き、素材のページのキャラクターの原画も描いています。
へこんだときに呟く言葉は「人間 万事 塞翁が馬」。これで、幾多の試練を乗りきってきたのです。

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