韓国女一人旅(7)
日本の浴衣を着て『冬ソナ』ロケ地
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日本の民族衣装「浴衣」を着た筆者は 「冬ソナ」ゆかりの春川明洞(ミョンドン) でも歓迎された |
ソウルは本当に私を優しく迎えてくれた。地下鉄に乗った時も、手真似で「ここへお座りよ」と勧められ、タクシーの運転手さんも、私の日本語が分からなくても、行き先へ携帯を掛けてくれ、探し廻ってくれた。
(韓国の人って温かいんだなあ)と私は思った。しかし、それは、ソウル市内の中だけの経験である。
ソウルから車で約1時間半離れている南恰島と春川も、ソウルと同じなのだろうか? そういう疑問を解くためにも、私は浴衣を着ていかねばならなかったのだ。
小型バスは日本人が8人、韓国女性の若いガイドさんの案内付きである。
バスを降りてまず初めに、私たちは小型船で南恰島へ渡った。美しい島であるという話の通り、湖に浮かんでいる南恰島はゆったりとした美しい自然が広がっていた。冬ソナで有名なメタセコイアの並木道の他に、白樺並木、銀杏並木の見事な並木道があり、その他にも雑木林があって、ちっちゃなリスがちょろりと走り込んだりしている。
ここには、日本人だけでなく、韓国人のカップルが散策したり、自転車を走らせたりしている。聞くと、ここは冬ソナで有名になる前から韓国の人たちの憩いの島であったということだった。冬ソナというお目当てがないとしても、この景色だけで充分に堪能できる。
次に、冬ソナでのデートの場所、春川明洞(ミョンドン)にバスで移動、商店街を見て廻って、ここでお昼に鶏カルビ(ダッカルビ)を食べる。熱々の鶏カルビを食べている鉄板に、後でご飯を入れて炒り混ぜて食べるのも美味しい。
さて、私の浴衣姿のことだが、韓国の方々は好奇心が強い人が多くて、南恰島でも春川でも「何を着ているのか?」と問いかけてくる。そして、「浴衣、可愛い」「浴衣、綺麗」を連発するのだった。
何もかも含めて、この小型バスツアーは約7900円であった。
溝江玲子
奈良新聞掲載2005年12月3日
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玲子のプロフィール
溝江玲子 山羊座で12月27日と暮れも押し詰まった大変忙しい時期に生まれました。
昭和12年、旧満州国奉天に生まれて、上海に育ち、終戦後に大連から引き揚げてきました。もう、戦争はこりごりです。
職業はと聞かれると、答えがいく通りもでてきます。一番格好よく答えると、作家かな。それから、7年前立ち上げた遊絲社(ゆうししゃ)という出版社の代表です。
趣味は読書とお絵描き、素材のページのキャラクターの原画も描いています。
へこんだときに呟く言葉は「人間 万事 塞翁が馬」。これで、幾多の試練を乗りきってきたのです。
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