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 ※お知らせ。『あなたにとどけるものがたり3』
 発売になりました
 
 
  ↑新作の児童文学の短編集です。私も『幸運なあめんぼ』という短編を書いてます。
 最寄りの書店でも御注文可能です。
 
 
 
 
 
    *ぼくが絵本を読んでいるとき*(2008.5.27) 
         
 
 「ぼくが ラーメン たべているとき、となりで ミケがあくびした。
 となりで ミケが あくびしたとき……
 とおく とおく はなれた くにで いま なにが おこっているのだろう?
 おなじ この そらのしたで」
 〜長谷川義史『ぼくがラーメンをたべているとき』〜
 
 
 「そういう人間は少ないな。ひどく少ない。世界にあふれるほどいるのは、満たされていないと思っている人間や、ほしいものはすべて手に入れたのに不幸せな人間、それに群衆の中で孤独を感じている人間ばかりだ。世界の大半を占めているのは幽霊なのさ」
 〜シオドア=スタージョン『海を失った男』〜
 
 
 「「三沢さん 何ゆってんの?……
 正社員はもらっていいんだよ……
 私たちがもらってないんだよ……
 憎むべきは企業・政治であって……正社員ではないよ」
 「あ!」」
 〜松田奈緒子『少女漫画』〜
 
 
 
 長谷川義史氏の絵本『ぼくがラーメンをたべているとき』を購入する。
 絵本評論家の高山智津子先生がご存命であったなら、
 
 きっと、夢中になったろう。
 
 そんな絵本だ。
 高山先生がお元気だったころは、私が気に入って購入した絵本はかたっぱしから高山智津子先生にお見せすることになっていた。
 しかし私は無神論者で、天国の存在も信じていないから、どうやってこの絵本の存在を高山先生にお知らせしていいか分からない。
 読むべきひとにお届けすることができない絵本、『ぼくがラーメンをたべているとき』は、私にとってそういう絵本でもある。
 物言わぬ猫の、後ろ姿が素晴らしい。この後ろ姿は作者自身であり、と同時に、絵本の世界にのめり込んでしばらく出てこれなくなった私自身とも重なる。
 
 
 --☆---
 
 
 
 ここ一ヶ月ほどで購入した本。
 
 ☆お勉強の本
 ・『まんが反資本主義入門』エセキエル=アダモフスキ
 ・『すばらしきアメリカ帝国』ノーム=チョムスキー
 ・『世界がキューバ医療を手本にするわけ』吉田太郎
 
 ☆小説
 ・『キューバリブレ』エルモア=レナード
 ・『いつか眠りにつく前に』スーザン=マイノット
 ・『海を失った男(文庫版)』シオドア=スタージョン
 
 ☆まんが
 ・『少女漫画』松田奈緒子
 ・『いぬばか』桜木雪弥
 
 ☆その他
 ・『将棋世界』
 ・『SFマガジン』
 ・『MacFan』
 
 体調がよかったら、『少女漫画』という漫画の感想文を書こうと思っていたんだけど、だめみたいだ。
 (^_^;)
 来月は佐藤秀峰せんせの『ブラックジャックによろしく』最新刊が発売される。
 楽しみです。
 まあ、今日もそんなこんなで。
 私が、ネット書店で注文し手に入れた絵本や雑誌や漫画を読んでいるとき……。
 good2ndさんから『世の中は時間をかけて変わっていくよ』
 http://d.hatena.ne.jp/good2nd/20080308/1204970975
 マガジン九条から『宇宙基本法の使いみち』
 http://www.magazine9.jp/index.html
 暗いニュースリンクさんから『オバマ暗殺を扇動するヒラリー』
 http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2008/05/post_537e.html#more
 クロアチアサッカーニュースさんから『イヴィツァ=オシムのクロアチア紙インタビュー』
 
 
 
    *子ども革命1992/老人革命2008*(2008.5.21) 
         
 
 「大航海に旅立つんだ。なぜって古い時代はおしまいになり、新時代が来ているからだ」
 〜ベルトルト=ブレヒト『ガリレイの生涯』〜
 
 
 「アルゼンチン政府はSOA(←アメリカ“軍事拷問”学校)での自国兵士訓練を止めることを決定しました。また、ウルグアイ政府はSOA/WHINSECに自国兵士を送らない現状政策を堅持する、と確約しました。
 これらの決定は、米州に於いて人権、公正、また軍の自己責任追及のために戦っている全ての人々にとって、最高の勝利であります。アルゼンチンとウルグアイは、ベネズエラに続く第二・第三番目の国々となりました」
 〜『反戦翻訳団』からSOA Watch記事翻訳2006.3.28〜
 
 
 「息子が小利口でうまく立ち回るような人間にならないようにしてください」
 〜アンダスン『ワインズバーグ・オハイオ』〜
 
 
 「私たちには生まれたときから愛する力が備わっている。
 だけれどもその力は筋肉と同じで、鍛えなければ衰えていってしまうの 
        」
 〜オードリー=ヘップパーン〜
 
 
 
 利潤絶対主義のコイズミ革命と逆ベクトルの政策で、何かと話題の南米ベネズエラのチャベス大統領だけど、今度は
 
 「食料やエネルギーの価格高騰に苦しむ世界の貧困国を救済する基金として、一年につき3億6500万ドルを拠出する」
 
 という意向を明らかにしたそうだ。
 新自由主義の市場の暴風にさらされて困窮を強いられている全世界のひとびとに向け、かなり太っ腹な国際貢献。
 しかし、国際貢献なら日本政府も負けていられないつーことで、このたび
 
 自衛隊をスーダンに派兵する方針を決定しました。
 
 (^_^;)
 中東のつぎはアフリカで“平和維持”活動なんだそうで。
 ……よその国に銃担いで出張る前に、自国のネットカフェ難民をなんとかせえよ、と言いたいところだが、ネットカフェ難民から石油は取れんし、私営化のしようもないからな。
 
 商品化された労働者の出がらし、それがネットカフェ難民なので、政府も投機家もしゃぶる骨がないのです。
 
 なので、ゴミ箱を漁る野良犬でも蹴飛ばして憂さを晴らした後は、もう、どうとでもなってくださいヨ。
 (__☆政府公報__☆)。>
 
 (^_^;)
 国際貢献の次は、食糧問題だ。
 日本人たちが牛丼再開に列を作っているころ、ベネズエラを含む南米左派政権*横のつながり*連合(米州ボリバル代替構想)は首脳会談を行い、
 
 食料の安全確保のため1億ドルの基金を作る
 
 ことを決定したそうだ。
 なんと!
 国境を越えて、国民国家の枠を超えて、これが本当のグローバリズムだよなあ。
 市場原理とやらが国境の枠を超えて貧困国を食い物にしたり、全世界の労働者を商品化したりすることじゃなくて、な。
 (^_^;)
 ……。
 南米と比べて、圧倒的にモノにあふれているこの日本だけれども、内側から荒廃しきってるように見えるのは、どゆこと?
 売れ残りのコンビニ弁当をゴミ箱に捨てる一方、餓死者がでるわ、自殺者は年間で軽く3万人を超えるわ……。
 
 ここで、いきなりだけど、1992年の環境サミットで12歳の少女が行ったスピーチ、
 
 6分半の『子ども革命』をごらんください。
 
 
 
 「家も何もないひとりの子どもが、分かちあうことを考えているというのに、すべてを持っている私たちがこんなに欲が深いのは、いったいどうしてなんでしょう」
 
 「・ちらかしたら自分でかたずけること
 ・ほかの生き物をむやみに傷つけないこと
 ・わかちあうこと
 ・そして欲張らないこと」
 
 ほんとにねえ。
 (;^-^ゞ
 みも知らぬワシのところまで駆けてきていきなり手を繋いだり、知っている歌を歌ったり、微笑んだりして、なにかと楽しみを分かちうあなたたち子どもと違って、
 
 餓鬼のようにたえずクレクレ言う乞食どもをビジネスリーダーだのセレブだのとあがめ奉る、人間の大人は宇宙一いかれた生き物ですよ。
 
 明白すぎて恐縮ですが、苦労して手に入れた金も家も地位も知識も国籍も性別もアレもソレも誰でも、かたっぱしから失う運命にあるのです。
 大人はそのことを知っていて、恐怖を感じてる。だから失うことにびびりまくって、手に入れたものならそれがウンコでもしがみつく、強迫神経症のバタリアンと化してしまうのです。
 あなたの手元に残るのは、結局、あなたが与えたものだけなのに。
 なにはともあれ、ことは地球全生命体の存亡にかかわる問題で、
 
 もう大人に任せてはおけんのです!
 
 いっぽう、ここ日本では、後期高齢者医療制度の廃止を訴えて、年金生活者たち約600名が厚生労働省前で座り込んで抗議行動を行ったそうだ。
 お年寄りだって、黙ってただ日干しにされるわけにはいかんからね。
 なんせ、
 
 受け取ってもいない年金から保険料を天引きされるお年寄りが続出!
 
 支給されてもいないのに削れるのか!!!
 揚げ句の果てに、長寿医療制度などとぬかしやがる。ハッスル医療制度などと言うバカ・テレビタレントも。
 もうめちゃくちゃ。
 こうなりゃ一揆じゃよ、一揆。
 
 老人弱者革命!
 
 前期高齢者? 後期高齢者?
 誰がこの繁栄日本を作ってきたと思ってんのじゃあ!
 
 
 --☆---
 
 
 
 バフマン=ゴバディ監督の傑作映画『亀も空を飛ぶ』がセット販売ではなく、ピンもんで再発売されることになった。
 今なら、Amazonで23パーセントびきの3881円だ。
 この映画がどれほどの傑作なのかは、これまでも口酸っぱく言ってきたから、ともかく、観て。
 ドストエフスキーの小説やホックニーの絵画といった本物の芸術作品と向き合うときと全く同じ態度で、ぜひ『亀も空を飛ぶ』という映画を体験していただきたい。
 なぜなら、
 
 この映画も本物の芸術作品だからだ。
 
 
 
 
 すごいんだからね。
    
    *第12回手塚治虫文化賞の話*(2008.5.17) 
         
 
 「アトム。2003年出産。七つの超能力を持つヒューマノイドロボット。エネルギー10万馬力。天馬博士により科学省で製造。ざっと50年前に作られたロボットだ。その頃のロボットは人間の味方だった」〜手塚治虫『アトムの最後』〜
 
 
 「ねえちゃんの夢のために、おれはこの町で悪い事をたくさんした
 そしてこの町をもっと悪くした
 おれが悪くした
 ねえちゃんは悪い町に殺された
 おれが殺した
 おれが殺した」
 〜西原理恵子『ぼくんち』〜
 
 
 「♪私は おまえたちの子供を奪い取る
 ♪それでも おまえたちは 私を祝福し
 ♪狂おしいくらいに私のことを信じている
 ♪そんなマヌケなおまえたちが大好きさ」
 〜ランディー=ニューマン『神の歌』〜
 
 
 「僕を起こしたのは誰」
 〜手塚治虫『アトムの最後』〜
 
 
 
 「第12回手塚治虫文化賞」がいつの間にか発表されていた。
 
 ☆漫画大賞:『もやしもん』
 ☆短編賞:『グーグーだって猫である』
 ☆特別賞:大阪府立国際児童文学館
 
 だそうだ。
 漫画大賞は『もやしもん』だった。
 『大奥』じゃないのが、ちょっと意外。誰でも面白がる、というたぐいの作品じゃないのは確かかもしれないけれども。
 それと、特別賞だが、これは、
 
 大阪府知事ハシモト氏が閉館に追い込もうとしている
 
 大阪府立国際児童文学館ということで、素晴らしくもタイムリーな受賞だ。
 あの世というものがあるのなら、手塚治虫先生もそこで拍手なさっているのではないか。
 大阪府立国際児童文学館は、宮崎駿、里中満智子、俵万智、香山リカ、江國香織(順不同敬称略でございます!)その他、さまざまな文化人、文化人ではないひとびと、親、教師、子どもたちから存続の要望書が、例のタレント弁護士知事に対して出されている。
 にもかかわらず、貴重な文化遺産ともいえる文学館を閉館にするのは、
 
 府民の財産からあれこれパチって財政再建を実現するためです。
 
 「大阪(の政財界)を元気に!」
 (^_^;)わーお。
 芸術から子どもの楽しみまで、この世の価値というものをすべからく投機の対象としか考えない人間には、大阪府立国際児童文学館のような後生に残すべき文化遺産も
 
 ムダムダムダァ〜!!!
 
 ということなんだろうな。
 (^_^;)
 
 貨幣に交換可能なら、そうして何が悪い!
 
 というわけだ。
 ……もちろん悪いさ。
 この世界には、勝ち組どもの搾取の対象にはできないほどに貴重で、繊細で、美しい、なにがしかの価値が含まれてる。…少なくとも、おらぁ、そう信じてるよ。
 例えば、絵本のページを開くときの、子どもの内面のありようとかな! 値段がつけられるかってんだ!
 しかしよう。同じ財政再建を歌っても、フィンランドじゃあ、どんな小さな村にも一件以上の図書館を作り、教育に力をそそぎ、学校教育を可能なかぎり無料化することで経済を立て直したというのになあ。
 (^_^;)
 まあ、「豊かな社会」というものを想像するときに、「金額」しか頭にないということなら、多くのものを失うことになっても、それでもともかく「効率的な社会」くらいは築けるかもしれないね。
 おめでとう。
 
 タリバンが世界遺産の仏像を破壊したときは、文化の破壊だと憤ってみせた日本のメディアだが
 
 なんと自国の文化遺産(子どもたちのための!)が失われようとしているのに、タレント知事の背広の色がどうの、眼鏡がカッコイイの……。
 どゆこと?
 タリバン差別じゃあ! イスラム教原理主義差別じゃあ! アフガニスタン差別じゃあ! フェアプレイの精神を尊ぶ私は、公正な報道を要求するじゃあ!
 
 テレビは「異文化の衝突」「対テロ戦争」をあおりなさいよ! 大阪をピンポイント爆撃つって!
 
 いやいや、財政再建なんだもんな。あれもこれも、ぜんぶ仕方がないんだよな。
 (^_^;)
 大阪府立国際児童文学館を閉館にしようというタレント知事には、まんが日本昔ばなしの『もちの白鳥』
 というお話をぜひ観ていただきたい。
 
 http://www.youtube.com/watch?v=6EoDPk3CZJA
 
 ココ15年の大阪府の歴史そのものですね!
 
 ま、投票するわしらがいけないんだけどな。
 まんが日本昔ばなしついでに、「国民国家」という社会制度という視点で今の日本の姿をあぶりだす、昔話『わらび長者』も、どうぞ。
 
 http://www.youtube.com/watch?v=9eqqB_wDkaI&feature=related
 
 日の丸の扇が、哀れを誘う。
 (^_^;)
 ちなみに、このお話に出てくる長者さんのモデルは平清盛だそうです。
 
    *今はもう誰も勝ち組じゃないの*(2008.5.15) 
         
 
 「川、海、広場、公園、学校、大学、劇場、興行などは日ごとに商品化が進み、いたるところが広告に侵されスポンサーにべったり依存するようになっていく。人びとにとって魅力的で安全な公共空間は日々減っていき、私有化・商品化された空間しか居場所がなくなりつつある。広場や町の大通りを散歩するという昔懐かしい娯楽は、いまや多くの店が建ち並ぶショッピングモールのそぞろ歩きに取って代わられた」
 〜エセキエル=アダムフスキ『まんが反資本主義入門』〜
 
 
 「連中はどうしてショッピングモールに集まってくるんだ?」
 〜映画『ゾンビ』(1978年作!)〜
 
 
 「労働条件の過酷さは、人びとから個人的な生活を充実させる機会を奪ってしまう。私たちは流行やステイタスの命ずるまま、消費スタイルや生き方を選ぶようになり、ほんの小さな子どもですら、そこから逃れることができなくなった」
 〜エセキエル=アダムフスキ『まんが反資本主義入門』〜
 
 
 
 「そういう言葉は使わないほうがいいよ」
 と、ときどき忠告を受けるし、ヘルメットに黒眼鏡にマスク、ゲバ棒持ってる人間を私自身も連想してしまうから、
 
 「搾取」
 
 という言葉をなるべく使わないようにしているんだけど、私が何を連想し何を意識するかは関係なしに、この国はすでに、上を下への☆大搾取祭り☆と化してしまったんだよな。
 (^_^;)
 道路特定財源を今後十年間維持する「道路整備財源特例法改定案」が与党によって再議決されたちょうど同じ日。
 日本経団連の会長が、来年度に消費税を7〜8パーセントに引き上げるべきだ、とおっしゃっていた。
 「年金の財源確保」ということらしい。(ちなみに「道路整備財源特例法改定案」は、国民の生活道路を造るためだそうだ←※作るのは幹線道路で生活道路じゃありません)
 でも〜。
 消費税を導入したときから、目的は「老人福祉の財源確保」だったわけだけど、
 
 「日本の成長力を阻害しない観点から」法人税を減税にしていくんじゃあ、結局いつまでたっても財源確保はできないんじゃないですか?
 
 それどころか今じゃあ、財源確保のために「介護保険制度」「後期高齢者医療制度」と
 
 サービスの向上を口実に、二重取り、三重取り。
 
 ゴンベが種蒔きゃ カラスがほじくる。
 日本の成長力を阻害しない観点から、法人さまの年貢を割安にして、そのぶんは小作農民からぱちろうというわけだ。
 「狼は生きろ、豚は死ね」勝ち組構造改革、なんて言ってるから、しわ寄せはどんどん弱い者たちへと流れ落ちてゆく。
 
 究極の経済的弱者、それは、子どもたちな!
 
 東洋経済という雑誌の最新号の『子ども格差』という特集によると、
 ・日本の子どもの貧困率は14.3パーセント。
 ・ひとり親の場合は57.3パーセント(先進国最悪)
 ・教育への公的支出が先進国最悪
 なのだそうです。
 しかも子どもたちは経済の仕組みなんてわかりようがないから、ただ黙って耐えるしかない。
 
 パチリ放題!!
 
 揚げ句の果てに、「最近の切れやすい子どもたち」「しつけがなっていない」とか言われて、もうふんだりけったり。
 正直、日本で子どもなんてやってられないんだよ。
 ここ関西じゃあ、某大阪府知事が毎日テレビニュースで取り上げられているんだけど、ありとあらゆる財政負担を府民に押しつけるこの男の何がそんなにありがたいのか、理解に苦しむよ。
 「未来をになう子どもたちに借金を残したくない」って、大阪府知事は訴えておるらしい。
 が、身に覚えのない
 
 借金の支払いを“未来になう子どもたち”の家族にぜんぶおっかぶせて、どうすんの?
 
 某宮崎県知事もそうだが、テレビに露出し、
 「大阪をよろしく〜」
 とPRすれば、それが彼の偉大な業績ということらしい。
 どゆこと?
 ……。
 (^_^;)
 もはや、「搾取」という表現では穏当すぎるくらいだよ。
 
 
 作詞:コイズミ大改革
 作曲:グローバリズム
 「もう誰も勝ち組じゃないの」
 
 ♪今はもう誰も 勝ち組じゃないのぉぉぉ
 ♪なにもかも なくしたぁぁぁぁぁ
 ♪今の僕に できることぉぉぉぉ
 ♪法人だけが 繁栄をむさぼるうぅぅぅ
 ♪とめどなく流るる 涙にぃぃぃぃぃ
 ♪ひとりひとりのぉ 自己責任だけが〜
 ♪今はもう誰も 勝ち組じゃないのぉぉぉ
 
 ♪テレビを信じて 格差指示したぁ
 ♪そんな僕の 悲しみだけがぁあぁ
 ♪たったひとつの 残りものなのぉぉぉぉ
 ♪今はもう誰も 勝ち組じゃないのぉぉぉ
 ♪勝ち組じゃないのぉぉぉ
 ♪勝ち組じゃないのぉぉぉ
 
 「搾取」なんて言葉じゃあ、この痛みを表現し切れんわな。
 
 全国津々浦々痛みに耐えて構造改革詐欺!
 
 これだ!
 (^_^;)
 ♪勝ち組じゃないのぉぉぉ
 ♪勝ち組じゃないのぉぉぉ……
 
 
 --☆---
 
 『今夜、列車は走る』以外のお薦め映画を最後にご紹介。
 
 1.『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
 2.『ミスト』
 
 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』については、さまざまなサイトやブログで、いろいろな解釈がなされているようだけれど、私からはヒントだけを。
 
 「原作者は、社会主義者です」
 
 あとは、各自、考えて下さい。
 『ミスト』はスティーブン=キングの『霧』の映画化作品だ。
 今こうやってふりかえると、9.11とキリスト教原理主義にのっとられるアメリカを見事に予言しているんだなあ、『霧』は。
 原作者にその意図があったかはわからないけど、映画監督には意図ありまくり。
 まあ、
 
 広告代理店と民意と宗教と政治の絡みはアメリカも日本も似たり寄ったりだからな!
 
 身につまされるB級ホラーです。
    
    *アルゼンチンまで列車で4光年*(2008.5.11) 
         
 
 「はるか昔から、株式会社という生まれたての機関は、不正と欺瞞にまみれていた。(中略)1696年、英国の通商委員会は、株式会社という形体は「まったく腐敗している」と報告したが、それは「繁盛しているとの偽りの風評を故意に撒き散らして事情に疎いひとびとを引きつけ、一枚噛みたいという熱意を煽り立てて株を売りつける」からだった」〜ジョエル=ベイカン『ザ・コーポレーション』〜
 
 
 「誰もこれに反応しないのはなぜなんだ? もうたくさんだ!となぜ言わない」
 〜映画『今夜、列車は走る』〜
 
 
 「♪洗脳・搾取・虎の巻 洗脳・搾取・虎の巻
 ♪恒久的平和を願えば 道はひとつ
 ♪そのままのあなたでいて
 ♪なにも知らない無垢な瞳のまま
 ♪神に委ねてみてください
 ♪洗脳・搾取・虎の巻!」
 〜『ヴァジアルサーガ』主題歌〜
 
 
 「我々は病気だった。でももうすっかりよくなって、今はやらなくちゃいけない仕事がある」
 〜カート=ヴォネガット『タイムクエイク』〜
 
 
 
 いつもお世話になっている『暗いニュースリンク』さんから、「ハリバートン子会社、イラク復興業務で前年比3倍の大幅増収」というニュース。
 
 
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 KBR社のイラクでの業務については、不正請求、不当な労働環境、その他様々な不正行為が明らかになっているが、最新の議会調査では、KBR従業員がサダム宮殿から彫刻品、タペストリー、クリスタルや金製品を盗み出していた件が明らかになっている。
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 ※『スターウォーズのテーマ』を脳内でかき鳴らしつつ、以下の日記をお読み下さい。
 ♪ジャーンジャーンジャジャジャッジャーン……♪
 
 ☆ジュン=スカイウォーカーが便器に向かって血尿と血便を撒き散らしているあいだにも、資本主義の急速な“自由化”と無法化は、人びとの暮らしに悲惨な結果をもたらしていた---。☆
 ・地球温暖化、
 ・地球砂漠化、
 ・戦争、
 ・経済の私有化、
 ・投機資本が作りだす金融危機、
 ・失業、
 ・不安定雇用、
 ・森林破壊、
 ・企業による土地&森林占有、
 ・食糧危機、
 ・食品偽装、
 ・表現の自由の侵害、
 ・人種差別の制度化、
 ・女性差別の制度化、
 ・民族主義イデオロギーの制度化、
 ・その他ありとあらゆる排他主義の台頭、
 ・テロの誘発、
 ・生活には無用なものの押し売り(地デジ、ワンセグなど)、
 ・文学の無内容化、
 ・お小遣いの減額、
 ・晩酌はエビスからマグナムドライへ
 ゴゴゴッゴゴゴッゴゴオゴゴゴ……………。
 
 「予算がない」「財源がない」とおうむ返しに国民に説明するばかりの政府与党は、このたび、宇宙戦争を前提とした「宇宙基本法案」を可決したそうで、「ミサイル防衛システムにおける宇宙利用の必要性」を国民に訴え……ることすらせず、国会での質疑の時間は
 
 たった2時間。
 
 ぶっ!
 このひとら、軍需産業からの莫大な献金目当てに政治やってるので、国民の声を聞く気は、はなからないんだよね。
 ま、投票するおれらが悪いんだけどな。
 ……。
 「私たちは病気だった」と、ヴォネガットの言葉を借りて、私は言う。
 ここで、『まんが日本昔ばなし』から、「親を買う話」というお話をyoutubeで観ていただきたい。
 
 http://www.youtube.com/watch?v=u3h6tzPxb0A&feature=user
 
 この世界には貨幣と交換が不可能な、搾取できない巨大な価値がある、と未来の社会を支えていく子どもたちに伝えようとしているお話なわけだが、これ以上はワシはなにも言わん。
 
 自分の胸に手を当てて、各自、よおく考えるように!
 
 
 
 ---☆--
 
 
 今、関西で上映している中で、お薦め映画があるかどうか弟に聞いてみたところ、一本だけ、アルゼンチン映画の『今夜、列車は走る』という映画は観る価値があると言う。
 弟に付き添われて、大阪まで出て、観てきた。
 結論から言うと、
 
 本年度ナンバーワン映画の第1候補だったですね、これは!
 
 公式ホームページ
 
 監督のニコラス=トゥオッツォは、次世代のケン=ローチと呼ばれているそうだ。
 
 長編映画第1作で、いきなり次世代のケン=ローチとは、すごい評価だな!!
 
 この映画は、アルゼンチンでは2004年に公開された。今から4年前だ。
 アルゼンチンで公開されてから4年の月日が流れて、ここ日本でも傑作映画『今夜、列車が走る』が新作として公開される。
 日本という国は、どう甘く見積もっても、アルゼンチンより4年は遅れているということだ。
 4年前から現在に至る、アルゼンチンと日本の、正反対と言ってもいい政策のベクトルの違いが、国民の生活や社会、ひとの心のあり方というものにどのような影響を及ぼしたか。
 
 四年前のアルゼンチン、とクロスオーバーする形で、
 
 自分たちの立ち位置というものを『今夜、列車は走る』という映画の中に私たちは確認する。
 ……ここで、映画の感想文を書こうと思ったけれど、体力が切れたので、もうやめます。
 (^_^;)
 好評につき上映期間が延長になったそうなので、各自、自分の目で確認してみて下さい。
 列車はどこに向かっているか。
 
 私たちは“どこ”にゆきたがっているのか?
 
 アルゼンチンまで、列車でちょうど4光年だ。
 
 
 
    *『飯降山』のラストを観たか*(2008.5.7) 
         
 
 「い〜まも♪ むかしも♪ かわりなく〜♪」〜『まんが日本昔ばなし』オープニング〜
 
 
 「ひとりひとりの個人の運命を改善することなくしては、よりよき社会の建設は不可能です。ですから、各人が自分の運命を切り開いていこうと努力しながら、しかも同時に全人類にたいして責任をわけ持たねばならないのです。なぜなら、自分が一番役にたってあげられる人々を助けることは、私たちひとりひとりの義務だからです」
 〜キュリー婦人〜
 
 
 「彼女の美しさのあらゆる秘密と魅力は、ほかでもないこういうほんのちょっとしたかぎりなく優美なしぐさや、ほほえみや、顔の表情や、こちらにちらと向けるまなざしにあって、そういう動作の言うに言われぬ品のよさが、若さや初々しさと、また笑いや声に伝わる心の清純さ結びあい、おさな子に、小鳥に小鹿に、若木にわれわれが思わずひかれるあのひよわさと結びあっているところにあるのだった」
 〜チェーホフ〜
 
 
 
 以前、『まんが日本昔ばなし』という長寿アニメ番組があった。
 日本の昔話や創作民話を紹介するという内容の、昔のアニメ番組だった。
 長期間続いたその番組の最終話だったと記憶しているが、『飯降山』という恐いエピソードがある。
 今で言えば、ちょうど、
 
 コイズミ日本構造改革の本質を暴くような
 
 ものすごい内容だ。
 
 http://www.youtube.com/watch?v=ulRLA2EuwlM
 
 このアニメを観て育った世代が、どういうわけか、コイズミ改革を支持した。かなり奇妙な話に思えるが、事実は事実だ。
 アニメからも昔話からも何も学んでいない、私たちはそういう世代だった、ということなのだろう。
 寓話というものが持つ、普遍性を信じることも、見いだすこともできず、「日本の労働者はもっと経営者の視点を持つべきだ」などというその場限りの戯言を鵜呑みにする、私たちは結局そういう人々だった。
 (^_^;)
 経営者の視点などを我が物として、それでどうするというのか? 自分自身をリストラするのか? いやいや、実際、私たちはそうした! 結局のところ私たちは、地べたを這いつくばって進むネの暗い労働者などではない……と、そう自分に言い聞かせていたいのだ。
 
 裸の王様ならぬ裸の労働者だったわけだ。
 
 ぶち上げられた当初は80パーセントの日本国民が支持していた「狼は生きろ豚は死ね! 痛みたえろ」コイズミ改革が実施されはじめたとたん、日本中が大混乱、上を下への大騒ぎだ。
 後期高齢者医療制度の告知を受けて、将来を絶望した老夫婦が三組も自殺。
 ガスも水道も小麦もバターもガソリンも値上げ。フクダ内閣の支持率が20パーセントを切っちまう(自業自得だがな)。
 などなど。
 
 「こんなもん、耐えられるかあ!!」
 
 とみなが文句を言う。
 おもしろい!
 コイズミ改革を受け取り手の私たちの言葉で言い直すなら、それは、「痛みに耐えるのはヨソの誰かで、自分たちこそはてっきりいい思いができると思ったのに」改革だった。
 実施されてみると、そうではなかった。勝ち組の椅子に座れると思っていた自分は、負け組の椅子に座るハメになった、というわけだ。
 
 「自分だけが幸せになれ」という腐った根性を詐欺師どもにつけ込まれた日本の庶民が、騙された!とお上に文句を言う。
 
 『飯降山』のラストシーンを観たか。
 おにぎりが、ひとつではなく、ゼロになった!
 あたりまえのことだ。
 私たちは、けっして自分だけが幸せになることなどできないのだ。けっして。
 しかし、今は幸せなどではなく、生存こそが問題だ。
 失われたおにぎりに想いを馳せ、ただ泣き崩れる。しかし、もう遅い。もう、遅いのだ。
 「おにぎりを! ああ、おにぎりを!」
 それがコイズミ構造改革の結末だった。
 最初からわかっていた結末なのだが。
 
 
 --☆---
 
 『まんが日本昔ばなし』には、こういうストーリーもある。タイトルは『人形の嫁』だ。
 
 http://www.youtube.com/watch?v=KvqcQGTHpFo&feature=related
 
 人生の悲喜こもごも、恋愛の純粋さ、エロティシズムなどなどというものは、結局、頭の中にあるものだ、という真理を見事に描いた寓話だ。
 
 これは、すごい!
 
 秋葉原でメイドのカッコをしたアルバイトの女性に冷やかし半分で「ご主人様」と言わせてみる、などというような無惨な行為よりも、こっちのほうが断然いい。
 いや、私はまじめな話をしてるんよ。
 (;^_^ A キヨクテマジメナハナシ。
 この寓話がわかるひとは、さらに上級編を紹介しよう。
 モフセン=マフマルバフの最新映画作品『セックスと哲学』だ。
 寒けがするほどの美女がふたりも出てくるわ(これはスクリーンを直視するのが困ってしまうほどにものすごい美女だ)、恋のドキドキをタイムウオッチで計る40男が出てくるわ、禁欲的でストイックな映画なのにやたらエロティックだわ、もう、完全な変態!
 素晴らしい!
 ブラボー。
 
 これは、ぜひとも大槻ケンヂ氏に観てもらわねば、という映画だ。
 
 しかもこの映画、ラストが、P=K=ディックの『流れよ我が涙と警官は言った』になるという、禅寺系のオチが待っている!
 ぎゃあああ〜!!!
 ブレヒトもびっくりの異化効果の使い手、モフセン=マフマルバフの愛についての変態禅寺映画!
 すごい映画だけれど、これはそりゃ劇場でかからんな(日本ではDVD発売)。
 ハリウッドの文脈につかりきった目で観てもこりゃわからんよ。
 
 
 --☆---
 
 山上たつひこセンセの復刻漫画『神代の国』を読む。2.26事件と天皇制をあつかった物語だ。
 こういうストレートなお説教の漫画は、最近ではまったく読めなくなってしまって、ページをめくると、懐かしい。
 
 こういうのを世代の断絶と言うのかもな。
 
 ちなみに「こういうの」とは、作家がどうしても描かずにはおれなかった物語を描く、といった漫画作品だ。
    
    *九条世界会議*(2008.5.2) 
         
 
 「順応は服従ではなく、相手を支配するためのひとつのやり方なのではないのか?」〜サルトル(日本人にとって実に痛いお言葉)〜
 
 
 「博士。陽が昇りましたよ」
 〜アニメ『鉄腕アトム』〜
 
 
 「きさまごときリゾート開発などとぬかして 国土を食い荒らして浅ましく肥え太った寄生虫に 何ができるか!やってみろ!」
 〜『美味しんぼ』海原雄山先生〜
 
 
 
 五月の連休中に、日本各地で平和を求める「九条の会世界会議」がある。
 それにちなんだ動画(と私が思った)をまず紹介しよう。
 タイトルは『ストップ・ザ・文明の衝突』だ。
 
 
 
 ファ○クダさんは今後10年間で道路事業に59兆円をつぎ込むのだそうでして、予想通りまたまた与党の強行採決で結局ガソリン値上がりしたわけだが、国民をなめくさったやり口はもちろんだけど、私、この
 
 「審議なき国会」つーのは、もっとも危険なことだと思うの。
 
 テレビ、新聞は「ねじれ国会」ばかりを懸念するけどな。
 某宮崎県知事をご意見番扱いにした上で、タレントたちの議論の後に「このあと、あの人が登場!」とテロップを入れ、CMあけに「道路は必要です」なんて言わせると、それがこの国の民主主義的手続きのすべてだ。
 または、某大阪府知事が、熱っぽく涙を流してみせれば、府民はとりあえずすべてを彼に預けてもいい、という心情的確証になったりもする。それは、例えば、スーパーの生鮮食品売り場でひっきりなしに流れている「どこよりもやすい!」「誠意を持って笑顔で」というテープレコーダーの声と、次元という意味では、なんらかわらない。
 つくづくすごいと思うよ。いや、まじで。
 「財源確保」で医療費は負担増、公共福祉施設は民間に売却。ガス、水道、電気、小麦ぜんぶ値上げ。
 
 軍事費もアップ。
 
 法人税だけ減税。
 私たちが「なんのために」税金を払っているのか。
 わかりすぎて血尿が止まらんよ。
 (^_^;)
 痛みに耐える国民が担ぐ神輿に乗るのは、法人さまだ。
 この日本という国では、天国に足を踏みいれる資格のあるのは、“法人”という架空の人格だけということになっているんだな。
 好もうが嫌おうが、気づこうが無視しようが、とにかく、世界はどんどん二極化している。
 かなり際どいことになっているのは確かだ。
 なにせ、このごろじゃあ、
 
 鉄腕アトムみたいに、ロボットですら反逆してるんだぜ!
 
 『米軍の武装ロボットが反逆? 実戦配備11時間でイラクから撤収』
 (^_^;)
 えらいこっちゃ、えらいこっちゃ、えらいこっちゃ。
 さて。
 ゴールデンウィークだというのに、ガソリン値上げでどこにも遊びに行けずに私の日記など読んでいるあなた。
 そんなあなたにお知らせだ。
 「戦争のない世界」を実現するための手段として、世界中で人々の注目を集めております日本の憲法9条。このゴールデンウィーク、世界各地からのゲストを迎えてのビッグイベント「9条世界会議」が開催されます。
 
 ☆関東版は、
 ※参加費 前売券1000円 当日券1500円
 5月4日(日)東京・幕張メッセ イベントホール
 5月5日(月) 幕張メッセ 国際会議場
 ・トーク「イラク、アメリカ、日本」
 ・海外からのゲストによる講演・ビデオメッセージ
 ・歌・ダンスパフォーマンス
 ・ライブイベント「9ALIVE」など
 ・分科会「9条を生かす」など。
 雨宮処凜さん、UAさん、加藤登紀子さん、伊勢崎賢治さん、伊藤真さん、香山リカさんなど、が参加予定なのだそうです。
 
 関西版は、
 5月6日(火)大阪舞洲アリーナだ。
 シロタ=ゴードンさんらが参加予定だそうだ。
 
 私?
 体調が悪くてのう。
 (^_^;)
 ひとに紹介しておいて、それじゃあイカンのかのう。
 最後に、窮状会議---じゃなかった(←自分の生活のほうです)九条会議関連で、ナオミ=クラインの『ショック・ドクトリン』という動画を紹介しておきます。
 
 
 
 以前に紹介したような気がするけれど、ごめん、覚えてません。
 
 じゃあ、生きてたら、九条会議で会いましょう。
 もしかしたら、来世でな!(まだまだ生きるつもりだけど)
 とにかく、死ぬまで狂人としてふるまわなくてはならない、地球人は疲れるよ。
 次に生まれるなら、アナレスで!
 
    
    *同じことをまたやった*(2008.4.30) 
         
 
 「いちいち真剣にとっていたら、だれでも気が狂ってしまう。この宇宙には、自分にかいもく理解のできないことがわんさと進行中らしい、と疑いを抱くようになる」〜カート=ヴォネガット『青ひげ』〜
 
 
 「道ばたの草を料理して積極的に食すれば、それは「決戦料理」であるというところが、いちばんひどい。国民に対してこのようなことをする日本政府が、敗戦と同時に消滅したわけではない。いまも健在だ。おなじことをまたやるだろう」
 〜片岡義男『白いプラスティックのフォーク』
 
 
 「見えないものこそ恐怖である」
 〜ヒッチコック〜
 
 
 
 私は「映画ファン」ではなくて「本当に良い出来栄えの映画のファン」なので、年に2、3回くらいしか映画館に足を運ばない。
 本当に良い映画かそうでないかを見極めるのは簡単で、私の弟に単刀直入に聞いてみればいい。
 弟が、
 「観る価値がある」
 と断言すれば、その出来栄えは、まず間違いがない。
 アッバス=キアロスタミやマフマルバフ一家、ダルデンヌ兄弟、ケン=ローチ、アトム=エゴヤン、
 
 果てはマイケル=ムーアまで、
 
 みんな弟から教わった。
 しかしこれも、彼が小学生のころから私が『惑星ソラリス』や『タクシードライバー』や『戒厳令化チリ潜入記』といった名作を観せて教育した結果である。
 
 私の教育のおかげなのです、感謝しいや、弟よ。
 
 (^_^;)
 私の英才教育のおかげで、弟は本当に良い映画しか観ないひとになったのだ。
 いや、本当ですから。たぶん。
 (;^-^ゞ
 私自身といえば、例えば『エイリアン2』のようなバカ映画でもそれなりに楽しめてしまう実はかなりの悪食だ。
 私の周囲の人間は、私が、観た映画、読んだ本を
 
 かたっぱしからこき下ろし難癖をつけるタチの悪い輩
 
 だと勘違いなさっているようなのだが、それは違う。私はただ、作り手の望むままにぽわんと作品を受け止めて感動してそれで終わり、というふうに映画を観たり本を読んだりができないだけだ。
 まあ、ともかく、それはそれとして。
 弟に『エイリアン2』などと言うと、かなり軽蔑されるのは確かだ。
 ふと気がつけば、今では弟が、私に対して良い映画だけを観るように啓蒙し、教育する立場になった。
 このごろは、私も弟を見習って、良い映画だけを鑑賞するよう心がけている次第だ。
 そんなわけだから、この世の9割を占めるダメ映画を私は観る機会が、基本的にはない。観ることができない、という言い方もできるかもしれない。
 観ることができなくて、それでなんら不便でもないのだが、私は根が生真面目でかなりの善人でありながら(と自分で言う)、いっぽうで、悪食でやらしいやつだったりするのだ。
 出来栄え、という基準ではまったく観る価値のない映画でも、ちょっとのぞいてみたい。
 私のやらしいところだ。
 そんなとき、私はいつも、ギッチョさんのサイト『破壊屋』を「鑑賞」させていただくことにしている。
 マクラが長くなったが、ギッチョさんのマッドシネマ『小林少女』の解説をどうぞ。
 
 まずは読んでいただきたい!
 
 ==============
 僕は数年前から「こういう事をやってしまう日本映画っていつか登場するんじゃないか?」と漠然と思っていた。”こういう事”とは唐突な「癒し・愛・純粋」で映画を結論付ける現象だ。『キューティー・ハニー』『CASSHERN』といった大駄作がもう既に”こういう事”をやってしまっているのだが、『少林少女』はそれ以上に浅はかだ。
 ==============
 
 観ていない私には、作品についてあれこれ言う資格はない。
 『パッチギ2』は観ているので資格があるけれど、辞退します。
 (;^_^ A
 男女の関係を観察すれば、その社会の成熟度が知れる。と言ったのは、マルクスだった。
 では、映画を観れば、その社会の何がわかるのか。
 「何も見ても、何かを思う」というようなたぐいのことは、もちろんあるだろう。
 それから、「ひたすら身を粉にして働きつづける日常」を引き受けざるをえない自分、という程度のやせ細った意味で認識されている「現実」や、その現実のいっさいがっさいと結びついた人の心の底辺、というようなものだって、もしかしたら、映画鑑賞という行為の向こう側に見えてくるかもしれない。
 どのような映画を観るにせよ、私がそこに確認するのは、「なぜ、それはそこにあるのか?」という基本的な問いかけだ。
 
 「なぜ、それはそこにあるのか?」
 
 以前の日記でも書いたと思うが、あるとき、日本社会の中枢機構のどこかで、
 
 「論理的思考、合理的判断というものを可能なかぎり軽視しよう」
 
 という方向づけが行われた。
 その場その場の都合によって法を運用したり、安易に公共の財産を切り崩したり、見通しも何もないまま社会制度を変革してみせたりするためには、国家全体で「論理的思考」を徹底的に軽視するしかない、という結論が下されたからだ。
 しかし、「論理的思考、合理的判断というものを可能なかぎり軽視する」ためには、種と仕掛けが必要だ。
 単純だが、かなり大掛かりな仕掛け。それはウン十年をかけた国家的一大プロジェクトとなる。
 強い侵略性と目的実現性を持った仕掛けの、一方の極に「排他的民族主義と愛国心教育」があり、もう一方の極には、例えば、ギッチョさんの紹介下さっているこのような事態がある。
 これらの巨大な仕掛けは、実は、残虐で冷酷な自暴自棄の破壊行為を国の内部と外部に撒き散らした後、
 
 1945年の夏をもって全世界から「失敗国家」という強烈な烙印を押されて終ったシステムとほとんど同じ内容なのだが。
 
 しかし、論理的思考を可能なかぎり軽視するという文脈においては、そうした歴史的経験も、さしたる意味を持たないのだった。
 とにかく、日本政府は、同じことをまたやった。
 ……私の主張は、どこかのトンデモ陰謀論にしか聞こえないかもしれないね。
 (;^_^ A
 実際のところ、これは陰謀なんてものじゃない。
 これは、ある種の願望なのだ。
 めんめんと続く怠慢と無能の、積み重ねの自覚もなく、責任の所在すらなく、だからこそひたすら肥大化していく願望。
 そのような願望を受け止めて、引き受けて、私たちが手にするのは「楽しみを金で買う」という行為だ。
 そういうことなのだ。
 ギッチョさんの「こういうことをやってしまう」日本映画とは、同じことをまたやってしまう日本、の延長線上にある。
 
 さて、願望についての動画を貼って、終わりにします。
 
 
 
 
 
 しかし、この動画、何回貼ったかな。
 (;^-^ゞ
 
 
    
    *霧雨で見えない*(2008.4.29) 
         
 
 「テレビという娯楽は、数百万人の人々に同じ冗談を聞かせながら、それでいて各人を孤独のままに置く」〜エリオット〜
 
 
 「音楽とは、知恵よりも哲学よりも高度の啓示なのだ」
 〜ベートーベン〜
 
 
 「私はそんなに長くワーグナーを聴けない。
 ポーランドを征服したくなる衝動にかられるから」
 〜ウッディ=アレン〜
 
 
 
 家電量販チェーン店のテレビに人だかりが出来ていたので、何だろうと覗き込むと、某コイズミさんがご意見番気取りで、“「変化」について”しゃべっておった。そのライオン仮面のお姿を、レジうちのおばちゃんまでが、ありがたや、ありがたやと見つめていらしたのだった。
 いいなあ、幸せで。
 
 癒しなんて軟弱なモノはいらん!救いはもっといらん!
 
 そんな私とあなたには、『暗いニュースリンク』さんのお先まっくらなニュースがいちばんだ。
 『米国カジノ経済が未来に残すものは何か』
 
 ===
 2007年度、企業CEOの平均収入は、一般労働者のそれに比較して、600倍となった。2006年度の364倍に比較すると、かなり格差が拡大しているのがわかる。ミドルクラス全盛の1980年には、CEOと一般労働者の所得格差は40倍弱だった。
 ===
 
 痛みに耐えて構造改革!なんつってると、まあるい地球のどこででも、こういう結果になるわけだ。
 暗い、暗い、真っ暗だ。
 本当に落ち込んでいるときに聴くアルバムは、バルトークの管弦四重奏曲集が何よりだ。
 と、前振りでこういうことを書いておいて、今回はPerfumeの『Secret Secret』をyoutubeにてご覧下さい。
 
 
 
 
 
 ユーミンの『時のないホテル』と何が違うの?
 
 なんて言ってはいけない。もちろん、ぜんぜん違うのだ。>
 
 
 
 
 
 時間と空間、それらが作り出す絶妙な距離といったものを描写しきって、ひとつの世界を構築してしまう力技。関係の築きにくさ、維持のしにくさ、壊れやすさ、に対して正面から向き合う毅然とした態度。
 ああ、ユーミンは、なんて格好いいんだ。
 ちなみに、
 
 私はかなり自覚的な女性崇拝主義者
 
 で、それはもちろん、私の基本的な資質が大きい。けれど、もうひとつには、ユーミンに出会ってより極端な方向に針が振れたのも事実だと思う。
 (;^-^ゞ
 話がそれるが、ユーミンには、アジアとアジアの中の日本の距離感をきっちりと認識し、それを描いた『スラバヤ通りの妹へ』という名曲がある。
 アジアの中の日本、という視点を私に示したのも、彼女だった。
 ……。
 さて、あとは、ドストエフスキーを読めばいい。
 ドストエフスキーの小説を3日かけて読み終えるころには、まあなんとか、「生きてみようかな」という気分くらいにはなっているものだ。
 
    
    *疲れぎみです*(2008.4.26) 
         
 
 「この話 なんだ〜ろ?どういう意味だ?
 さあ、みんな 考えよう
 バラード禅問答」
 〜筋肉少女帯『バラード禅問答』〜
 
 
 「音楽と 大企業の連動! タイアップ!
 欲しいの〜! タイアップ!
 ロックなんか 犬が食え」
 〜筋肉少女帯『タイアップ』〜
 
 
 「『新科学対話』が坊主どもの手に握られている! アムステルダムやプラハではそれを渇望しているというのに!」
 〜ベルトルト=ブレヒト『ガリレイの生涯』〜
 
 
 
 ものすごく疲れております。血尿が出てます。
 便器が真っ赤です。サスペリア。
 奈良では、今ごろになって『パッチギ!』の続編が上映されたわけですが、そういうわけで、感想文を書く気力がありません。
 前作に敬意を表して、否定的なことをここで書くのは、避けたい。
 (;^_^ A
 『まどぎわ通信』さんのところの感想文にリンクしておきますで、こちらをどうぞ。
 
 
 筋ジストロフィーの描き方も滅茶苦茶でまったく一貫性のない描写が続く.更にキョンジャの「芸能界苦労物語」も,苦労しているはずの彼女の「苦労」がまったく感じられない中途半端な演出で終わる.そして物語を寸断するかのようにビョンチャンの戦中の物語が強引に入る.もともと横槍の入りやすい題材だけに墓穴を掘って欲しくなかったが
 
 
 と、まどぎわ通信さんは書いてらっしゃる。
 いえ、私は何も言ってませんから。
 (^_^;)
 話は変わって、いつもお世話になっているgood2ndさんのところで、『光市母子殺害事件の差戻審判決』の話題が。
 
 
 
 弁護団に対する懲戒請求を出しながらその意味がわかっていない人の多さ、今にいたるまで基本的な事実を誤認したまま論評する人々の多さ、無責任な扇動をした輩が府知事に選ばれてしまうという事態、いろいろな面で、恐怖を覚えずにおれない現象もありました。
 
 
 という主張は、まんま私のそれと同じだ。とくに、
 
 無責任な扇動をしたやからが府知事うんぬんというところとかな!
 
 (;^-^ゞ
 だけど、こういうこと言うと、
 「凶悪化する少年犯罪に不真面目な態度」
 というふうに断罪されるので、難しいんだなあ。
 (^_^;)
 自己評価ほどあてにならないものはないというけれども、オレは周囲の皆さんと比較して、かなり真面目で、どうしようもなく恐がりさんなんだと思ってる。
 いろいろな面で、恐怖を感じてしまう、そういうタイプなんだと。
 ま、いいか、こういう話は、
 
 血尿出しながらするもんじゃないわな。
 
 (;^_^ A
 最後に、ギッチョさんの『破壊屋』から、映画の話題を。
 
 
 でも「『ポストマン』は郵便局のプロパガンダ映画」書いてあった。確かに『ポストマン』は郵便の素晴らしさを危ない感じで訴えているけど、あれは決してプロパガンダじゃない!民営化したんだからプロパガンダじゃなくてコマーシャルだ!
 
 
 わはは! って笑ってる場合じゃないぞ、よーうく考えろよ、みんな。
 じゃあ、よそのリンクばっかりになったけれど、今日のところは、これで。
 
 カンベンしといたる!
 
 (;^_^ A ねよ。
 
 といいながら、 寝る前に、 good2ndさんの死刑制度反対の理由を。
 
 
 
 僕の身内が残虐な方法で殺されたなら、加害者には死を望むかもしれない。そのように想像するからこそ、制度が公正であるためには、当事者から一定の距離を置いて設計されなければならないと考える。当事者に公正など期待するべきではなく、一方で制度は可能なかぎり公正であるべきだ。
 
 これは、我が意を得たりというか、まったくの同意見。
 「身内が殺されたら、加害者には死を望む」自分の姿を想像するからこそ死刑制度に反対するというのは、私もそう。
 想像力の働きかたの方向が、good2ndさんと私とはかなり似ているのかもしれないね。
 私は、人類は“私刑”を超えていかなければと考えてる。
 ……あかん、 やばいから、本当に寝ますね。
 
 
 
 
  
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